コラム

COLUMN

  • 2022/11/02

    想像力豊かなポーズ解説(2)

    もっともヨガらしい立位のポーズ「アドムカシュヴァーサナ(下向き犬のポーズ)、ビィラバドラーアサナI(戦士のポーズI)、ビィラバドラーアサナII(戦士のポーズII)、ビィラバドラーアサナIII(戦士のポーズIII)、ウトカタアサナ(椅子のポーズ)、ウティタパールシュバコナーアサナ、パリブリッタバッダパールシュバコナーアサナ」の解説を行います。

    想像力豊かなポーズ解説

    アドムカシュヴァーサナ

    手足は位置を固定して上半身を押し込むように

    より強く胸を開く時のバリエーション


    重力を利用したインバージョンの効果を狙うバリエーション



    犬のポーズって言われるだけに犬になってやってみましょう。
    犬が背伸びをするときにするポーズ。
    手を思いっきり伸ばして腰を突き上げましょう。
    本来はしんどいポーズではないので
    どうやったら楽になるかをいろいろ調整してみてください。



    ポイント・・


    ・手首で床を押す。

    ・腰を高く後ろへ。

    ・肩をすくめない。

    ・肩甲骨を離さない。

    ・頭は中へ。

    ・腹筋に力を入れる。

    ・膝は軽く曲がっていてもいい。

    ・腰も力をいれる。 



    効果・・

    ・ 全身の強い伸び

    ・ 重心移動のコツをつかむ

    ・ 腕の強化

    ・ 深い呼吸

    ・ リラックス


    よく腕をワナワナとふるわせて耐えている人を見かけるポーズでもあります。
    ツライ。けど、本来は犬のポーズは休憩ポイントでもあるのです。

    では、休むためにはどうしたらよいのかを考えましょう。
    まず、手に体重の大半がかかっていては数分ももたない。。
    だから、体重は足に乗せるようにすること

    ただ、膝裏や太ももやアキレス腱が硬い人は
    どうしても重心が腕側にかかってきてしまう。
    腕がつらい人はこのポーズを通して下半身の柔軟性を養っていきましょう。
    そうすることによって徐々に体重は足にのせられるようになっていく。

    すなわち腕が楽になってきます。
    まだ下半身が硬い人は、
    膝裏や腿裏やアキレス腱が伸びていることを感じながら
    ポーズをキープすることに集中したら良いでしょう。

    人の体は十人十色の特徴がある。骨格や癖がいろいろあります。
    みんなそれぞれの間隔や角度があって正解。
    手の幅や方向は試してみると良いでしょう。

    私の場合は肩幅程度に開いて、指先が少し外を向く位置にくると安定します。
    安定=最大の力が出せるところを探す。
    ヨガマットというパン生地を伸ばし広げるイメージで強く押していく。
    同時に腰や体側が強く伸びているのを感じるはずです。
    上半身が強く伸びて広がったら、今度は下半身を伸ばしていく。

    下半身は腰からかかとにむけてゆっくりと
    地面に向かって杭をうっていくイメージです。
    ヨガのポーズは、地面に対しての力=自分の体の伸び力になります。
    相対する力をしっかり意識してポーズを深めていってほしいと思います。
    上半身と下半身を同時に力強く伸ばせるポーズです。




    ビィラバドラーアサナI

    前後の足が互いに引っ張い 拮抗して骨盤が正面を保つ


    気持ちが奮い立つような力強いポーズです。
    大きく息を吸って立ち上がってください。
    呼吸のタイミングが難しいという声をよく聴くのですが、
    考え方はとても単純です。

    空に向かって開く・伸びあがるときは吸い、
    大地に向かってふさぐ・閉じる・下がる時は吐きます。
    これは動作の起点になるときの呼吸ですが、
    ポーズをキープしているときは普通の鼻呼吸を続けます。


    ポイント・・


    ・骨盤が正面にあること

    ・後ろの脚に重心がある

    ・目線は遠く

    ・膝が開かないように内腿を意識する

    ・足の踏ん張り力


    効果・・

    ・ 下腿の強化

    ・ 内転筋強化

    ・ 上体の伸び



    戦士のポーズと言われる所以。力強く立ち向かうような姿勢を作りましょう。
    不意打ちされても倒れないような強さが求められます。
    そのために、足でしっかりと踏ん張ることです。

    私自身はヨガマットが敗れるのではないかというほど
    足の力(足裏の力)を使います。
    カーペットの上でやったときはパネルカーペットが外れてしまいました。
    それくらい踏ん張らないといけません。

    踏ん張ることをあきらめると
    テンションがすべて腰に集中するので腰椎を痛めます。

    足の力が大切なことは変わりませんが、
    前後の脚の使い方にばらつきがあると骨盤が歪んできます。
    右左の腰骨が同じ高さにあるようにし、
    その位置で足の力との兼ね合いを見極めます。

    腰の位置や足の力のバランスが取れると、
    足の力は抜かないように注意しながら重心を少し落とします。
    重心を落とすことでさらにハムストリング(腿の裏の筋肉)や、
    内転筋(腿の内側の筋肉)や大腿四頭筋(太腿の筋肉)に効いてきます。

    おなかの力が抜けてしまうと腰に負担がかかりますので
    その点も注意してください。
    敵に向かうように勇ましく、それでいて冷静なポーズをキープします。


    ビィラバドラーアサナII

    左右の足で引っ張り合い 骨盤と胸が真横


    NG:前足に重心がかかりすぎ 後ろ足が使えていない 骨盤が真横にない



    強さと余裕を感じるポーズ。私の大好きなポーズの一つです。
    直線のラインを守りながら、
    それでいて最大の広さ(面積)と安定感を探します。
    柔軟性と強さを兼ね備えたポーズです。


    ポイント・・


    ・ビィラバドラーアサナIから始める

    ・壁に沿っているイメージをする

    ・体幹を使う

    ・重心を伸ばしている足の方に置く

    ・足裏の力を使う


    効果・・

    ・ 下腿の強化

    ・ 股関節のストレッチ

    ・ 胸の開き



    同じく戦士のポーズ2という名前がついています。
    戦士のポーズ1に比べて余裕や優しさを感じるポーズです。

    1の形から内路の足先の向きを変えて2に入ります。
    重心はさほどかわりません。
    足で引っ張る力も変わらず、引っ張る向きが変わるだけです。

    よく、前の脚の膝に負担がかかっているポーズを見かけます。
    これは後ろの脚が全く引っ張れていない状態です。

    これでは膝を痛めるだけなので、
    両方の脚が戦いあうように拮抗しながら引っ張り合いをします。
    拮抗しあった結果、安定感のある位置に少し腰を下ろしてみてください。

    重心を落とすことで、さらに内転筋(内腿の筋肉)にアプローチできます。
    股関節が硬い場合は、硬さに引っ張られて前の膝が
    手前(内)に入ってきてしまいます。

    それであっても、できるだけ膝を引っ張り出す意識を持つことで
    股関節の柔軟にも効果があります。
    壁を背にポーズをとるように、
    まるでくノ一のような気持ちで呼吸を整えます。
    足のひっぱり力が足りず骨盤が傾くと
    おしりがでっぱってくるので注意してみましょう。




    ビィラバドラーアサナIII(後屈Vr)

    前後の足で引っ張り合い 骨盤が正面をキープ



    戦士のポーズに反り(伸び)を加えたポーズです。
    より一層バランス力を問われます。

    反ることは優先順位の最後ですから、
    まずはヴィラバドラーアサナの1と2が
    安定するようになってからやってみましょう。


    このようなバリエーションポーズは基本のポーズの派生形になります。
    大切なのは基本形が正しくできることです。

    ポイント・・


    ・ヴィラバドラー1と2が安定していること

    ・足の引っ張り力が弱まらない

    ・反る意識ではなく伸ばす

    ・呼吸を止めない


    効果・・

    ・ 上体のストレッチ

    ・ 下腿の強化

    ・ 内転筋のトレーニング


    腰に不安を感じたらやり方がまずいでしょう。
    腰は圧迫を感じるものではなく伸びを感じていなければいけません。
    圧迫を感じる場合は多くの場合、必要な筋力がつかえていないことが原因です。
    ヴィラバドラー1と2ではとてつもなく足の力を使いました。
    これを怠ってはいけません。

    前後の足(特に足の裏のふんばり)によって
    ヨガマットが裂けてしまうのでは?というくらいに力を入れます。
    同時に太ももの外や内側の筋力も働きます。
    この足の力によって骨盤を固定します。

    ウエストから下がどっしりと決まったら、
    そこで初めて上部への伸びを足すようにして腕を上げてみましょう。

    腕を上げたときに骨盤が動かないように!
    またもここで足がなまけないように注意をして。



    ウトカタアサナ

    かかと・座骨・肩が直線状にある

    ねじりを加えたバリエーション
    手を開くバリエーション



    空気椅子に座るポーズです。そう。
    座り方によってポーズの強弱や、
    筋力トレーニングの部位を調整したりできるポーズです。
    例えばカウンターチェアならどのように座りますか。

    子供椅子に座るなら?高さや座りに深さによって姿勢が異なってきます。
    椅子の脚が短く、座りが深いものほど筋力が必要なポーズになります。
    今のあなたにあった椅子のポーズで練習してみましょう。
    椅子に腰かけ遠くを眺める。
    足元は見ずに遠いスクリーン・遠くの空を見るイメージです。


    ポイント・・


    ・おなか(おへそ)が伸びていること

    ・目線が遠く

    ・胸を張って

    ・腰は反らない

    ・膝が外を向かない


    効果・・

    ・ 強い下腿の強化(大腿四頭筋・ハムストリング)

    ・ 背筋の強化

    ・ 重心を理解する



    座っているときにおへそが
    おなかの中へ隠れてしまっている姿勢をよく見ます。

    この状態では腹筋は使えておらず、
    背中は丸まって猫背であることが多いでしょう。

    おへそを縦にしっかりと伸ばし、
    その時に腰が反らないように腹筋を引き込みます。
    みぞおちを引き上げて骨盤と胸との間を長くします。

    このように座ると腰痛になりにくく、疲れずに姿勢を保持できます。
    さて、椅子のポーズをするときに膝の屈伸からではなく、
    おしりを後方へ突き出す動きで始めてみてください。

    おしりが後方へ突き出てから膝を少し緩めます。
    この2段階動作によって腹筋がキープしやすくなります。
    このポーズは足にも強く効いていきます。

    膝が外を向くのを防ぐために、
    膝の間にヨガブロックや硬めのクッションなどを
    挟んだままポーズをキープするのもおすすめです。
    挟むことによって腿の内側を鍛えることができます。
    腿の内側は内転筋といって
    尿漏れなどに影響する骨盤底筋との関係があります。


    ウティタパールシュバコナーアサナ

    肘は当たっているだけ 体重を乗せない


    より強くストレッチをするときは手を床に



    体の正面がねじれないように気を付けましょう。
    伸ばすことに意識が行きすぎて胸や顔が下を向いてしまうことがあります。

    体側部分ってわかりますか?体の横のライン。
    そう、体操服のラインの延長線上です。
    このラインがまっすぐ天井を向くことを目指します。
    最初は体の硬さゆえに体側ラインが倒れてきます。

    練習を重ねていくと柔軟性が高まり、
    上半身や下半身・手足などのパーツが個々で動くようになってきます。
    自由に動けるようになってくると、下半身の調整をしてから、
    上半身をというように細かい修正が効くようになってきます。

    私はこのポーズをするときは、まず下半身のラインを整えてから、
    次に上半身のラインを下半身のラインの延長線上に置くように調整をします。

    パーツパーツが動かせるようになるととても気持ちよく、
    適切なポーズがとれている実感が得られます。


    ポイント・・

    ・足先の向きと骨盤が連動します

    ・下になっている脇腹をつぶさない(空間を作る)

    ・左右の体側を同じように伸ばす

    ・足の踏ん張り力

    ・上半身を引き起こす


    効果・・

    ・ 体側の伸び

    ・ 腰痛予防

    ・ 下腿の強化

    ・ 股関節のストレッチ

    ・ 深い呼吸



    おなかの部分って背骨しかないので
    とても動きが取りやすい場所でもあります。
    しかし腹筋が収縮していると腰痛を引き起こしたりもするので、
    おなか部分を縦に気持ちよく伸ばすようにポージングしてみてください。

    姿勢の悪さによって、例えばひどい猫背になる。
    内臓を圧迫した状態が続きます。
    それによって臓器の働きが悪くなって、
    不快な症状を引き起こしたり慢性的な疾患に繋がったりします。

    実際にやってみるとわかるので、今やってみてください。
    腰と背中を丸めておへそが見えない状態を作ります。
    なんだかだるいような暗い気持ちになりませんか。

    それでは次に背筋を伸ばしおへそが縦に延びるように胸を張ります。
    腹筋や背筋も意識しましょう。どうでしょうか。

    おなか周りがスッとしたようなすがすがしい気持ちになりますね。
    そうです。簡単です。
    ヨガでは気持ちいい方・すがすがしい方を探していけばいいのです。


    パリブリッタバッダパールシュバコナーアサナ

    足の力を弱めない事

    より強く柔軟性を求めるバリエーション



    ウティタパールシュバコナーアサナにねじりを加えたポーズです。
    基本はウティタパールシュバコナーアサナを作るところから初め、
    次のステップでねじりを加えます。

    ねじりを加えた時に、ウティタパールシュバコナーアサナの
    ポイントが崩れないようにキープしてください。

    ねじることを優先にしてしまうと下半身がぐらつきます。
    最も下半身の安定感がポーズの効果に比例してきますので、
    下半身が安定できる程度にねじりの強弱を調整してみましょう。


    ポイント・・

    ・後ろ足の重心を守る(後ろ足の踏ん張り力)

    ・膝にテンションはかからない(ゼロ)

    ・腰を後ろに突き出す

    ・体の全面を開く

    効果・・

    ・ 歪みの改善

    ・ 下腿の強化

    ・ バランス感覚

    ・ 強いストレッチ

    2つの要素を含んだ高度なポーズです。
    柔軟性とバランス感覚が必要なので、
    ウティタパールシュバコナーアサナが
    正しく練習できるようになってからでも遅くはありません。

    ねじりを伴うポーズは呼吸が苦しくなる傾向にあります。
    それでも呼吸は止めずにゆっくりと鼻呼吸を続けます。

    呼吸が浅くなると酸欠に陥り頭痛や吐き気を引き起こすことがあります。
    特にホットヨガや岩盤ヨガなどでは
    呼吸が感じられにくい傾向にあるので注意が必要です。

    呼吸に注意を向けていると、
    ポーズによって自分の呼吸の深さが異なることにも気づきます。

    また、息を吐くときに柔軟性が増し、
    息を吸うときに体は伸展することにも気が付くでしょう。
    そうなるとヨガが楽しくなってきます。

    「いつ吸う?いつ吐く?」など意識しなくても
    体が必要なタイミングで吸う・吐くができるようになってきます。





    筆者 株式会社アヤボディアーキテクチャー代表取締役 橋本彩
    「生活にフィットするヨガを」を理念にヨガインストラクター養成校を経営。
    2007年以降、卒業生は数千人を超えました。卒業生が今のヨガ界をリードしています。





    School

    アヤボディアーキテクチャーは東京校、神戸校、名古屋校、福岡校の4校で授業を行っています。またオンライン校での授業もご参加いただくことができます。週末だけ神戸校へということもできます。各校に専門講師がたくさん所属しています。例えばアロマヨガインストラクター養成講座は福岡校と神戸校では講師が異なります。

    そのためカリキュラムも違ってくる。講師の数だけカリキュラムも異なるということ。ヨガは指導者が異なることに新しい学びや発見があります。同じようにヨガインストラクター養成講座に通われているメンバー(生徒様)が毎回異なることで新たな経験や学びがあるのです。アヤボディアーキテクチャーの授業はいつも違ったメンバー(生徒様)が集います。受講関数やレベルもまちまち。その多様性が応用力や柔軟性を養ってくれていると日々講座を通して実感しています。

    Videos

    動画で見る学校紹介

    「授業はどんな感じ?」「先生は?」「初心者でも大丈夫?」など、学校紹介動画を見れば不安が解消します。
    アヤボディアーキテクチャーのヨガインストラクター養成講座は少人数制で、テーマごとに、みんなのアイデアを持ち寄って進めていく授業は、”講義”ではなく、まさに”研究”です。
    だから、2回として同じ授業は出来ない。2回として同じ答えは出ないんです。私たちは個性を尊重し、個性を伸ばす授業をしています。十代の生徒様もいれば定年退職後にチャレンジされた生徒様もいます。職業や経歴もまちまち。ヨガの経験もゼロ~25年など幅広い方がヨガインストラクター養成講座に集っています。
    それぞれみんながアイデンティティや個性を生かしてヨガを深めること。経験や専門性にヨガをプラスアルファさせて新しいものを作り出していく。そんな多様性あふれる空間で、それぞれをヨガでつないでいく楽しさややりがいは参加してみないとわからないもの。そのほんの1シーンにはなりますが、実際の授業の様子や、講師先生のコメントを動画にしました。

    About

    AYA BODY ARCHITECTUREは、国際的なヨガ資格発行団体である「全米ヨガアライアンス」の正式認定校。インストラクター養成機関のパイオニアです。
    日常に取り入れてもらうためのレッスンから資格取得まで、ヨガに関してあらゆる面でサポートいたします。

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