腰痛に効くヨガのポーズ
腰痛にすぐ効くヨガやストレッチについて解説します。腰の痛みの改善や腰痛予防をしたい方。これまでいろんなことを試したけど改善しなかった方に必見です。
痛みをどうにかしたい
毎日3分だけの腰痛予防
藁にもすがる思いで「ヨガは腰痛に効きますか?」
と私の元へ来られる方がいます。
「病院へ行ったら手術をするしかないと言われた」
「整骨院へ行ったらマッサージをしてもらえるが根本解決はしない」
そのような悩みをお持ちの方は少なくありません。
私自身も身体に痛みがあるときは
「どんなことでもいいから良くしたい!」と思うものです。
慢性的に腰痛がある人や、仕事柄、腰痛とは付き合って
いかなくてはいけない方、体質や生活習慣によって
腰痛を起こしやすい方がいます。
こういった方は日ごろ「腰、大丈夫かな?」
という不安を抱えながら生活をしているのではないでしょうか。
小さなヒヤヒヤ感「腰への忖度」をしながら
生活をする苦労を思うと心が痛みます。
痛みが出てから対策や手当をするのではなく、
日ごろから予防することが大切になります。
また、腰痛問題を抱えている方は
「痛くなりそう」「ちょっとあやしい」が分かると思います。
そのような時にどのような対策ができるかで本腰痛にせずに済むのです。
「日ごろから予防?大変じゃないの?」と思うかもしれません。
いいえ、とても簡単です。
厳選した3分でできるディリーポーズを1つだけ。
毎朝、毎夕、寝る前になど毎日継続してもらうことが絶対のポイントです。
簡単ストレッチ
起立します。片方の足を真後ろに上げていきます。
この時にバランスがとりにくいので、椅子を後方に置いておいて、
座面に脚を乗せるのも良いでしょう。
出来るだけ後ろに伸ばした足が伸びているように気をつけます。
別の言い方をすると股関節がしっかり伸びていることが大切です。
楽に出来るようになってきたら、椅子の座面の高さを上げていきます。
椅子が低すぎるのであればテーブルなどを使います。
1~2分キープをして反対の足も行います。
毎日気軽に続けることが肝心です。
起立します。片方の足を真後ろに伸ばし上げていきます。
1で説明したように足をあげるのですが、
ここからは後ろに伸ばした足を横へ開いていきます。
椅子の位置を横にずらすと良いでしょう。
心地よい痛みがある程度で止めて1~2分キープします。
反対側も同様に行います。
呼吸は自然な鼻呼吸をします。
腰の遠方へアプローチする
痛みがあるところに意識が集中しがちですよね。
痛いところをさすったりその部分をほぐす、シップを張るなどしてしまいます。
痛みの事件は腰で起きていますが、
その原因は遠方で起きていることが少なくありません。
私のヨガでは腰にアプローチするポーズはほとんど行いません。
腰から離れた脚やお尻をメインにアプローチしていきます。
筋肉の硬直
運転やパソコンなど同じ姿勢を長時間続けていると筋肉が硬直してしまいます。座り姿勢では特に下半身の筋肉が硬直して、硬直した筋肉(固く短くなっている)が腰をひっぱってしまい痛み・だるいなどが起こります。
緩衝材のすり減り
前屈姿勢が多い場合は背骨が同じ向きで圧迫されているため、
背骨と背骨の間の椎間板がすり減ってしまうことがあります。
椎間板は衝撃の緩衝材のようなもの。
緩衝材が減ってしまう事で痛みがでることがあります。
どちらにしても背骨や腰が縮むことを防がないといけません。
腰の周辺や遠方の筋肉が硬直していると
腰は硬直した筋肉にがんじがらめにされて動きが取れません。
このような遠方の硬直がストレスとして腰に現れることが多いのです。
腰痛に効果的なポーズ
ジャタラパリブリタアサナ
足を左右に倒して骨盤を調整します。
ねじりを効果的に加えたいため、できるだけ
胸から上は床に固定して足を倒すようにしましょう。
肩が浮いてしまうとねじりの効果が半減してしまうので、
肩や腕は床に固定して、そこから可能な範囲で
足を倒していくという調整をしてください。
足が完全に床につくことを目指しているわけではありません。
より深いねじりを得ることが重要です。
そのため顔は足と反対側に倒します。
柔軟性が不足する場合は膝を緩めて行うと良いでしょう。
マージャリーヤアサナ
猫が背伸びをするときの姿です。
呼吸と連動させてみてください。
背骨の本来のS字カーブをイメージしながら、
そのカーブを波のように動かすイメージをしてみましょう。
顔が天井を見始めるタイミングで息を吸います。
ポーズをホールドしている間は自然な鼻呼吸です。
顔を下ろすときに息を吐きましょう。
腰をそらせようとすると
腰椎の一部分に負荷が集中してしまい、腰を痛める可能性があります。
腰に意識を置くのではなく、骨盤を動かすとイメージしましょう。
骨盤に連動して背骨が動きます。
しっぽをひっこめたりしっぽをピンと立てたりしてみてください。
まるで猫になったかのように長い尻尾を自在に動かします。
このしっぽ(尾骨)は骨盤にありますので、
しっぽを動かすことで自然と骨盤の前傾後傾運動ができます。
骨盤の前傾後傾運動に従い、背骨がS字のカーブを作ります。
パリガアーサナ
ゲートのポーズといわれます。まずは膝立ちで始めます。
まず、手をついているほうのウエストのくびれを押し込めるだけ押し込みます。
そうすると骨盤が伸びている体側のほうへ押し出されます。
この位置で骨盤は固定します。
あとは反対の腕を気持ちよく伸ばすだけ。
骨盤の位置で伸び方が変わってきますので、
できるだけ上になっている体側のほうへ
骨盤を移動させてい置くことが重要です。
そのために、下になっている側のウエストを
グッと反対側へ押し込むように意識します。
くびれを強くするイメージです。
骨盤の位置が決まったら、脇腹にあるチャックを下から
指先へと開いていくように伸ばしていきます。
下半身が踏ん張れていなければポーズがぐらつきます。
足は延ばす必要はないので、しっかり踏ん張れる足幅や、
膝の緩め方を調整してみましょう。
エーカパーダラージャカポタアーサナ
片方の足をたたみます。この時にたたみ方によって
ポーズが楽になったり困難になったりするので、
調整のハンドルのようなイメージで自分にあった向きを見つけます。
もう片方の足は、膝を伸ばしたまま後方へ引きずられるようにして遠ざけます。
骨盤が正面に来るように調整します。
腰痛を克服
実は私の父も整形外科で手術が必要と宣告された深刻な腰痛さんでした。
痛みがひどいときは杖を突いて歩き、
ベッドから立ち上がるときは5分かかっていました。
いつもは全く素直に話を聞いてくれない父ですが、
この時ばかりは私が行う腰痛予防ポーズが響いたようでした。
父はとても体が硬いので、足を後方に上げるといっても
床から15cmほどしか自力で上げることはできません。
最初はローチェアに脚を上げるようにしておしりをほぐすことを始めました。
痛みのせいで姿勢が傾いてしまっていたのですが、
ポーズをした後はまっすぐ立てていました。
初めてやってみたポーズで大きな改善を感じた父は、
その日から毎日ポーズをするようになりました。
毎朝、起きたらベットサイドでお尻を伸ばすらしいのです。
最初はローチェアほどしか足が上がらなかったようですが、
だんだんと可動域が広がり、今ではベッドの高さまで
足を上げてお尻を伸ばしている様子です。
なんと父親は完全に腰痛を克服しました。
痛みがひどかったころからすると
2ヶ月ほどで腰痛の問題は起きなくなっていました。
父は今でも「腰痛」と聞くと「娘の教えてくれたポーズ」を
誰となく勧めまくっています。
このポーズは予防だけではなく、痛みの予兆があるとき、
痛みを感じている時にも効果的です。
私もパソコン仕事が長引いて腰が痛い時はこのポーズをします。
そうすると「あれ?どこが痛かったっけ?」と瞬時に腰痛を解決する事も。
本当によく効くポーズだと実感しています。
筆者 株式会社アヤボディアーキテクチャー代表取締役 橋本彩
「生活にフィットするヨガを」を理念にヨガインストラクター養成校を経営。
2007年以降、卒業生は数千人を超えました。卒業生が今のヨガ界をリードしています。