ヨガポーズ解説<ポイントと効果>(7)
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誰かのポーズ真似ではなくてイメージすることが大事。「サランバシルシャーアサナ・ジャタラパリブリタアサナ・マージャリーヤアサナ(猫のポーズ)・シャバアサナ(屍のポーズ)・クラウンチャアサナ(鶴のポーズ)・ウティタハスタパダングシュターアサナ」などの解説を行います。
想像力豊かなポーズ解説
サランバシルシャーアサナ
三転倒立のポーズです。筋力は不要ですが、
重心を理解するコツと柔軟性が必要なポーズです。
まずは腕の土台を作り、
手の中にうまく頭がすえられポイントから探してみましょう。
首が伸びていて苦しくないところが正解です。
決して頭部や頸部に力がいるポーズではありません。
首や頭はノーストレスです。
ポイント・・
・ 優しく自然と足が浮くところまで待つ
・ 首は使わない
・ 肘を張る
効果・・
・ 血流改善
・ 内臓のリフレッシュ
・ 血圧コントロール
・ 集中とリラックス
腕をセットするときに肘をできるだけ外に
張り出すようにセットしてみましょう。
腕で作る三角形の底辺が長くなるように土台を作ります。
頭を両手の中に沿わせていくのですが、
顎を引いて頸椎が伸びているようにセットします。
ここまでくると「起き上がれそう・全くダメ」の感覚がつかめます。
起き上がれそうと感じる場合は、
ちょこちょこ歩く感覚で下半身を頭部のほうへ歩かせてきます。
ここでしっかりと背骨を垂直まで立てることができれば、
自然と足が宙に浮いてきます。
決して蹴り上げるようなことはしないでください。
床をけって足をあげる段階ではまだこのポーズは時期早々です。
自然と足が浮くというところまで待つことが重要です。
ジャタラパリブリタアサナ
レッスンの最後に行うことが多いポーズです。
このポーズからシャバアサナといって
しばらく間仰向けで休むポーズに入ることが多いように思います。
足を左右に倒して骨盤を調整します。
ねじりを効果的に加えたいため、
できるだけ胸から上は床に固定して足を倒すようにしましょう。
ポイント・・
・ 肩甲骨や肩を床に固定
・ ねじりを深める
・ 足の倒し方は調整する
・ 倒れた足と反対をむく
効果・・
・ 骨盤調整
・ 歪みの調整
・ 深いリラックス
・ 腰回りの柔軟
肩が浮いてしまっているポーズを見かけます。
これではねじりの効果が半減してしまうので、肩や腕は床に固定して、
そこから可能な範囲で足を倒していくという調整をしてほしいと思います。
足が完全に床につくことを目指しているわけではありません。
より深いねじりを得ることが重要です。
そのため顔は足と反対側に倒します。
倒した足は膝を曲げるとき、上になった足を延ばすとき、
両方伸ばすとき、様々なバリエーションが可能です。
柔軟性が不足する場合は膝を緩めて行うと良いでしょう。
マージャリーヤアサナ
猫が背伸びをするときの姿です。呼吸と連動させてみましょう。
ヨガの効果や心地よさを実感できるポーズです。
背骨の本来のS字カーブをイメージしながら、
そのカーブを波のように動かすイメージをしてみましょう。
顔が天井を見始めるタイミングで息を吸います。
ポーズをホールドしている間は自然な鼻呼吸です。
顔を下ろすときに息を吐きましょう。
ポイント・・
・ 骨盤を動かす
・ 腹筋を使う
・ 呼吸と動きを合わせる
効果・・
・ 背骨の柔軟
・ 骨盤調整
・ 腰痛予防
腰をそらせようとすると腰椎の一部分に負荷が集中してしまい、
腰を痛める可能性があります。
腰に意識を置くのではなく、骨盤を動かすとイメージしましょう。
骨盤に連動して背骨が動きます。
しっぽをひっこめたりしっぽをピンと立てたりしてみてください。
まるで猫になったかのように長い尻尾を自在に動かします。
このしっぽ(尾骨)は骨盤にありますので、
しっぽを動かすことで自然と骨盤の前傾後傾運動ができます。
骨盤の前傾後傾運動に従い、背骨がS字のカーブを作ります。
シャバアサナ
屍のポーズと呼ばれます。
基本的にはレッスンの最後に行い、
その日の疲れや充実感を感じながら全身を休めるポーズです。
睡眠の何倍もリラックスと休息効果があるといわれています。
ただただ脱力して全身を大地にゆだね、
体も心もすっかり大地に溶け込んだように深く休みます。
目は閉じ自然な呼吸をします。多くの方が眠りに入ってしまうポーズです。
ポイント・・
・ とにかく自由
・ 脱力
・ 隅々まで力を抜く
効果・・
・ 深いリラックス
・ 休息
・ エネルギーの補充
・ 充実感と幸福感
ヨガのレッスンをやりきった充実感と、
それまでに行った様々なポーズにより、
体と心は緊張と弛緩を経てバランスの取れた上体に導かれています。
自ら力を抜くこと「脱力」「リラックス」することが
上手になっているはずです。
難しいことは考えず、自分が求めるまま横になっていればそれで十分です。
10分ほど横になり休息をとった後、
ゆっくりと体を横に倒して寝返りをして一息おきます。
一息おいてからゆっくりと体を起こして座るようにしましょう。
クラウンチャアサナ
片足が正座、片足が伸びたポーズです。
足の柔軟性が求められるので最初は膝裏が曲がっていてもかまいません。
最も大切なことは、骨盤を立てて座ることです。
別の言い方で表現するとおへそがしっかりと縦に伸びていること。
おへそがつぶれて見えない状態は骨盤が倒れしまっているので、
腹筋に力を入れておへそを少し突き出すようにします。
ポイント・・
・ 骨盤を立てる
・ 足や肘は曲がっていてもよい
・ 胸を張って遠くを見る
効果・・
・ 足の柔軟
・ 腹筋や背筋の強化
・ バランス感覚
骨盤を立てるときに腹筋と背筋がバランスよく働きます。
どちらかが強すぎると前後のバランスが保てません。
柔軟性が足りない間は、肘と膝をゆるめて練習しましょう。
最もこのポーズを通して感じてほしいのは前後のバランス感覚です。
背中は後方を押す(もたれる)足は前へ突き出すという
前後に引っ張りあう(拮抗する)感覚を見つけましょう。
ウティタハスタパダングシュターアサナ
起立から始めます。片足を膝を曲げた状態でまっすぐ上に上げます。
まるで片足立ちで膝を抱えるようなイメージです。
上げた足の指に手指をひっかけます。
この時に体が硬いのに無理をすると、
上げているほうの足側の骨盤だけが上がってきてしまいます。
骨盤が片方だけあがってしまうと、
この後のバランスがとれなくなってしまいます。
骨盤は平行であることを最優先して練習しましょう。
ポイント・・
・ 骨盤が平行
・ 足をひらくときは真横に
・ 遠いところに目線を置く
効果・・
・ 集中力
・ 足の柔軟性
・ バランス感覚
・ 骨密度UP
最初から足を横に開いてはいけません。
まずは正面真上に上げてから高さを決め、
次のステップで真横へと開いていきます。
最初に高さが定まらないまま開こうとすると
グラグラの安定感のないポーズになってしまいます。
足が開けたら水平方向へ引き合う力をイメージしてみましょう。
画像でもわかる通り、軸(体)は少し向かって右へ傾いています。
これは開いた足が向かって左に強く引っ張っているので、
その引っ張り力と同じくらい軸は右側へ引っ張ります。
筆者 株式会社アヤボディアーキテクチャー代表取締役 橋本彩
「生活にフィットするヨガを」を理念にヨガインストラクター養成校を経営。
2007年以降、卒業生は数千人を超えました。卒業生が今のヨガ界をリードしています。