シニアヨガを始めよう!やり方や効果について
シニアって何歳からを言うのでしょう。
今練習しているヨガも70歳になれば
シニアヨガって呼ばれてしまうのでしょうか。
シルバー世代の方向けに悩みや痛みのない快適な
生活を送ってもらうために日々の生活に
ヨガを取り入れてほしいと思います。
そのやり方や効果についてもご説明します。
シニアって、誰のこと?
そもそもシニアヨガの『シニア』とは、誰の事でしょうか?
『シニア』は英語で年長を意味する『senior』を語源とする和製英語で、
本来の意味では『成熟した大人』というニュアンスの言葉です。
従って、シニアヨガ=高齢者のヨガではありません(笑)!
確かに一昔前のシニアヨガは「高齢者になり低体力気味に
なってしまった人向けの寝たきり予防体操」というような
ニュアンスが強かったのですが、
現在では「心身の機能が高い30代のうちから始めるもの、
一生涯の健康と体力を維持増進するための、
積極的なウェルエイジ・エクササイズ」という風に進化しています。
シニアヨガのはじめ時
シニアヨガを始めるタイミングについて講座では、
実際のエピソードとして下記のような例をご紹介しています。
- 30歳のお誕生日を迎えたら
- 徹夜や深酒、油っぽい食品などが苦手になったなぁと感じたら
- 寝ても疲れが抜けなくなってきたら
- 日常がマンネリ化していると気づいたら
- 自分もいつか寝たきりになるかもしれないと不安になったら
- 利害関係なくずっと付き合える友達がほしいと思ったら
- 新しい趣味を始めたくなったら
- 人生が虚しい…と感じたら
- 新しいことにチャレンジしたくなったら
- 人生の棚卸が必要になったら
…一見、バラバラに見える“はじめ時”ですが、
共通項は“直感的に『このままではマズい、
何かライフスタイルを変えた方が良い』と感じた時”だということです。
それぞれのお悩みを解消できそうなコンテンツや
サービスを色々比較検討した結果、
シニアヨガだったら自分のニーズを満たせると思って入会される方が多いです。
なぜシニアヨガなのか?
では、なぜシニアヨガなのでしょうか?
結論からお伝えすると、シニアヨガは
『人生100年時代に適応していく知識と技術を学べる場所』だからです。
運動して身体の悩みを解消する場所、
心の辛さに手当する場所、仲間と豊かな時間を過ごす場所、
学びあい人間としての成長を喜び合う場所、
それらがギュッとひとつにまとまっているのがシニアヨガのクラスです。
どんなに努力しても加齢は止められません。
努力と工夫で“マシにはできる”けれど根本的に若返ることも
不老不死にもなれません。
シニア世代を生きるという事は、若さも、体力も、
社会的地位も、大切な人も、自分の命も、何もかもを
喪失していくフェーズを生きるという事です。
その時、誰もが『大切なものを失うこと』への不安や
恐怖や痛みを感じると思います。
この辛さはどこから来るのかというと、
『心の働き、対象への執着によって作り出される』と
ヨーガスートラ(ヨガの古典教科書)には書いてあります。
自分の心の奥にある執着とそこから生まれる苦しみは、
見ないふりをしたり、他の誰かと比べて宥めようとしても
決して上手く行きません。
もし適切でない方法で対処しようとすると、
時間とともに苦しみが熟成されてより強く大きくなってしまいます。
ヨガとは元々、どうしたら心の働きに振り回されるのをやめられるか?
執着から離れて自由に生きられるか?をテーマにしている実践哲学です。
呼吸法も、ポーズも、感覚を通して心の働きを
理解しやすくするための手段として発達してきました。
数千年の時間をかけて様々な流派が起こり、
今も世界中で取り組まれているので、お住いのエリアや、
老若男女、身体の硬軟を問わず、どんな人でも自分に合った
ヨガを見つけられるはずです。
その古来より蓄積された知恵を活用して、体力の維持増進と同時に、
心の働きを理解して執着を手放していく練習の二本立てが
シニア世代が本能的な生の悩みから離れ、
生き生きと明るく暮らしていくための根本的なアプローチと言えると思います。
シニアヨガのクラス編成と選び方のポイント
では、シニアヨガのクラスを選ぶときは何を基準にしたら良いでしょうか?
クラスの編成は大きく分けて
- 年齢で分けられたクラス
- 目的(解決したい悩み事)によって分けられたクラス
- 身体機能(運動能力)によって分けられたクラス
の3タイプの展開があります。
どのグルーピングにも一長一短ありますが、
始めてシニアヨガのクラスを探す時、
何を基準に選んでよいか迷われたら
②の目的(解決したい悩み事)別クラスを入り口にされると良いと思います。
・優しい腰痛改善ヨガ
・膝が痛い人向けのヨガ
・尿漏れ改善ヨガクラス
・体に麻痺がある人の自分で動くヨガ
など。目的別クラスでは参加者が皆同じお悩みを抱えている仲間ですから、
打ち解けやすく様々な情報交換もしやすいと思います。
同じテーマで悩んでいる人が自分以外にもたくさんいるんだ、
とわかるだけでも気持ちが軽くなったり、前向きになる効果もありますよね。
また体験レッスン当日は1~3個程度の目当てを持って
クラスに参加されると良いと思います。
ご自身の目当てへのフィット度合いを、
そのクラスに引き続き通うかどうかの判断材料になさって下さい。
シニアヨガの特徴とメリット
- 運動としてのシニアヨガの特徴
シニアヨガの究極の目的は寝たきり予防です。
本当の寝たきり予防プログラムは短期集中トレーニングの対極にあり、
10年、20年、といった長いスパンで楽しみながら
多角的に健康づくりに取り組むことが必要です。
一生をかけて自分の心身と向き合っていくのがシニアヨガクラスと言えます。
インストラクターも生徒さんも、根を詰めて成果を追い求めていくのではなく、
様々なことに興味を持って、小さな変化を喜びながらゆるゆるとムリなく
続けていくマインドが大切になります。
同時に、長く継続するためにも、
心身への効果はきちんと体感して戴きたいところです。
運動としてのシニアヨガの特徴・メリットは、
『加齢に伴う心身の機能の低下を、運動によって低減していくこと』です。
そのためにシニアヨガクラスのプログラムにはポーズの他、
自分の体重を活用した筋トレや、神経と筋肉の連絡を良くする体操、
運動によって脳を刺激するメソッドなどが組み合わされています。
- シニアヨガの肉体的メリット
ではシニアヨガを実践することで体にどんな良い変化が起きるか?ですが、
代表的な肉体的メリットには下記の6種類が挙げられます。
項目 | 具体例 |
① 柔軟性の向上 | 1) 日常動作の改善、生活のしやすさの維持・向上 2) 痛みの予防・改善 |
② 筋量の低下予防 | 1) 寝たきりの予防 2) 転倒予防 |
③ 代謝が上がる | 1) 痩せやすくなる、太りにくくなる 2) 色々なことに意欲が湧く |
④ 食欲増進 | 1) 栄養状態の改善、 2) 体力の維持・増進 |
⑤ 不眠の改善 | 1) 体調の維持・改善 2) 脳の機能の維持・向上 |
⑥ その他 | 1) お通じの改善 2) 一日の身体活動量が増える |
これらの良い変化は直接的に生活の質を向上させ、
中長期的には寝たきり予防に繋がります。
- シニアヨガの精神的メリット
次に心への良い効果は下記の3種類が代表的なものになります。
このコラムの前半でもお話ししているように、
ヨガ哲学を通して心の働きを学ぶことでストレス、
お悩み、生きにくさ、生の苦しみに対して根本的なアプローチが
できるという点が他のシニア向け運動プログラムとの大きな違いです。
項目 | 具体例 |
① 孤独感の軽減・払拭 | コミュニティに属している安心感を得られる孤独ではないと体験・実感する機会がある |
② 喪失感の軽減・払拭 | 喪失体験についての予備知識を得られる対策を学ぶ中で心構えができる |
③ ストレスの緩和・軽減 | ヨガ哲学を学び心の働きを知る執着を手放す事方法を知り苦しみから離れる |
また、ヨガコミュニティを通して社会的な
孤独・孤立を防ぐ効果も期待できます。
孤独が心身の健康にとって非常にネガティブに働く要素である、
というのは知っていても、年齢が上がればあがるほど新しい
知人や友人を得ることは難しいものです。
シニアヨガインストラクターはこの点にも配慮して、
参加者全員が居心地の良いように、かつベタベタしすぎない
距離感が保たれるようにし、自然とコミュニケーションを
深めていける空気づくりをします。
さらに、レッスンではポーズの出来栄えではなく
その方の存在そのものを認め、受け入れてもらえますよね。
これも現実社会では稀有な、ヨガならではの“孤独ではないと
実感できる体験”と言えるのではないでしょうか。
シニアヨガ指導に資格は必要?
現在、法律上は無勉強・無資格でもシニアヨガの指導はできます。
が、シニアヨガクラスを探されている方は
既往歴(病気や怪我の経験)があったり、体力に不安があったりして、
“より安心して参加できるクラス”を求めておられます。
ですので、資格を持っているということがお客様の安心材料、
ひいてはインストラクターの集客力にも繋がります。
シニアヨガの資格を取るメリット
ディプロマは“身分証明書”のようなもの。
教える側として自信をもってレッスンが出来るのはもちろんのこと、
資格を持っていることできちんと教育を受けて研鑽を積んだ人です、
と相手の方にわかってもらえる、信用してもらえるメリットがあります。
また、安全管理の観点からはヨガの資格以外にも、
消防署等でのAED&CPR講座の受講も強くお勧めします。
こうしたヨガ以外の重要な情報を得られるのも学校に通って
現役インストラクターでもある講師から学ぶメリットと言えます。
シニアヨガの注意点
指導をする際の一番の注意点は年齢に捕らわれない!事です。
〇〇歳だから出来る(だろう)/出来ない(だろう)という決めつけは
年齢差別にもなりかねません。
目の前の方のお話をよく聞いて、動作をよく見て下さい。
講座では相手のどこを注目して見たらいいのか?や、
お話を聞く際のインストラクターの身体の向きや距離が相手の
心を開くカギになること、など、一つ一つは小さい事ですが、
積み重なった時に大きな違いになる技術をお伝えしています。
こんな人におススメ!
- 受講を検討されている(受講しようか迷っている)方、
アシストアジャストなど対面で学べる機会は貴重です!
ぜひ今の時期を活用して下さい!
- シニアヨガクラスをやってみたい方
やってみたい!と思った時が最適なタイミングです。
日本の社会的にもシニアヨガは今必要とされているコンテンツです。
ぜひご参加下さい。
- 家族や友人に何か健康面でのアドバイスをしてあげたい方
自分の祖父母や両親が寝たきりにならないようにしてあげたい、
という受講生は本当に多いです。
身内ならではの難しさもありますので、
ぜひ講座で身内へのインストラクションや
身体の支え方等を学びに来てください。
- そして資格をもっていないけれどシニアヨガクラスを担当している方
資格を取得することでより自信を持って指導ができるようになります。
今指導で悩んでいることを解決しに来て下さい。
ぜひ取得を目指して頑張ってほしいです!
シニアヨガ資格を取得しよう!(養成講座を紹介)
アヤボディアーキテクチャーのシニアヨガ養成講座は
東京・名古屋・神戸・福岡の四校で開催しています。
(日程等については学校の講座開講カレンダーをご参照ください)。
アヤボディアーキテクチャーの特色として、
シニアヨガ養成講座もDAY1~5まで、
都合の良い時に通いやすい校舎で受講していただけます。
シニアヨガの仕事は非常に多様性がありますので、
それに合わせて講義内容は各講師ごとに特色ある内容になっています。
受講生の皆さまはぜひご自分のやりたい
シニアヨガクラスのスタイルをイメージして戴いて、
カリキュラムをよくご確認の上、
ご自分のやりたいクラスのイメージに近い先生の講座を選ばれて下さい。
著者: MAY(メイ) アヤボディアーキテクチャー神戸校所属
日本体育大学 体育学部 体育学科 スポーツ医学(プレハビリテーション&リハビリテーション)専攻。
指導歴20年以上。現在は海外のマラソン大会の帯同やハワイのリトリートヨガクラスも担当。